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最高裁判所第二小法廷 昭和29年(テ)13号 判決

主文

本件特別上告を棄却する。

特別上告費用は上告人の負担とする。

理由

本件は、福岡高等裁判所の上告判決に対する再審請求事件について、同裁判所が言渡した再審棄却の判決に対し、さらに上告人から当裁判所に上告を申立てた事件であり、ひつきよう本件上告の対象たる原判決は、福岡高等裁判所が、上告審たる資格においてなした裁判というべきである。そして高等裁判所が上告審としてなした終局判決に対しては、その判決に憲法の解釈の誤のあることその他憲法の違背あることを理由とするときに限り、当裁判所に上告をなし得ることは民訴四〇九条ノ二第一項の定めるところである。ところが、本件上告理由は、なんら右条項所定の場合に該当しないから、特別上告適法の理由と認め難い。

よつて、民訴四〇九条ノ三、四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 池田克)

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